食生活について考えること1/ pensée sur la manière de vie « alimentaire » 1

最近とても考えていることがあって、最近考え始めたわけではなく遡ればとてもとても長いこと関心を持っているけれどもなかなかどのような形をとるのかが長いことわからなかったという感じです。それは食生活に関することであり、何をどのように摂取して日々暮らしていくかということであり、どのような選択をし、どのように振る舞い、どのような考えを貫くかということに関わります。
あまりに長いこと色々と考えてきた主題なので、一刀両断的なさっくりした物言いで何かを綴ることが今もまだできないのですが、とりあえず、今回はパンを作っていることについて書きます。

パンは私の常食でもあり、ヨーロッパでは日本のお米を頑張って食べようとするよりも美味しい小麦も手に入りやすいように思います。湿度の高い日本より保存に適していて、同様に手に入りやすい他の食材や料理に合うのはもちろんのことです。私は正真正銘のチーズ好きで、パンとチーズがあれば何日も文句を言わず食べ続けることができます、というのも大げさではなく私は14、5年前からほとんど肉を食べない生活をしていて、今でも実家の札幌に行ってあまりに美味しいお魚が食べらられるときとか、どこかに食事に行ってお魚のお店に行ったときとか、招待されてお魚のお料理が振る舞われたときとか、そういうときくらいしか魚の肉も食べません。ただしこれは、世の中の多くのエコ・ベジタリアンの人たちが「動物のため」と語る理由とはなんの関係もなくて、匂いと味が得意じゃないのとうまく消化できないことが多いからです。つまり好みの問題にすぎない。もちろん動物についてあるいは食肉の産業について思っていることはたくさんあって、それはまた別の時に書きます。

パンは古代エジプトの人々が偶然酵母の発酵を発見して以来、サイエンスとしてわからなくてもしゅわしゅわした液種(あるいはすでに粉と混ざった元種)を小麦粉と混ぜて焼いたら膨らんだので、遡ること遥か昔からいろいろなところで作られています。

私がやっているのは自然酵母と呼ばれるつまり野生の酵母を使う作り方で、ドライイーストを使ったりそのほかの膨らし粉的な粉を一切使わないパン作りです。

さらに、パンを作っている目的は色々あるのですが一つに家族の食育というかできるだけ良さそうなものを食べようとする努力があげられます。従って、私たちの満足中枢に訴えかけるありとあらゆる手段を使った美味しいパンはいくらでも作る手段はあるのですが(例えば、塩分の多目のパン、バターやクリームの入ったパン、卵の入ったブリオッシュのようなパン、砂糖の多いふわっとしたパンなどなど)、私はひたすら油脂ゼロで塩分は控えめ、糖分は砂糖を加えるのではなく小麦に任せるようなパンを作りたいと思っています。

私たちは、パン屋の十分にしょっぱくてフワッフワでクラストのパリパリっとしたバゲッドや、甘くてしっとりしたバターの香りのするパンに慣れきっていて、自然酵母の全粒粉の低温長時間発酵のじっくり育ったパンにはひょっとしたら慣れていません。時には味が薄い?と思うことすらあるでしょう。でもその点は妥協したくないと思う。自分が食べたくないものを作りたくないし、食べたくないものを家族や友人に食べさせたくないと思う。かといって、手作りパンというと膨らんでなかったりあるいは無理やり膨らんでいたり、所詮はパン屋のプロのパンより美味しいことはありえないというか、色々具を入れたり(おかずパンとか、揚げパンとか、カレーパンとか)することが多くて生地自体はそんなに追求されていないことが多い。でも先にも書いたけれども、毎日のパンは基本の食事で、それらが糖分塩分油分過多などありえないことですよね。生地自体がすごい美味しくて何も入っていないパンが美味しいというのが良いと思っています。

もう一つは時間のことです。私がパンをある意味で実験的な関心を持って作り始めたのはきっかけは少しまとまった時間を家で見出すことができたからです。色々やってみてうまく行ったり行かなかったり、種類の違う実験を同時に行うにはまとまった時間が必要でした。だからこの機会に感謝しています。ですが、それはそれ。私の食糧に関する実験は同時に芸術的な活動のコンセプトにも繋がっていて、かねてからやりたかったことの一つです。だから実験と経験には時間が必要です。でもそれはそれとして、毎日の食事のパンを作ることとは違う問題です。私は料理を日常的にやっていますが、段取りには気をつけています。特に、同時に多くのことをするように訓練してきたし、パンも同じです。パン作りは、発酵の時間や捏ねの行程などのせいで、すんごい時間がかかってめんどくさいと定評があります。例えば、冷凍食品をチンするより簡単だというつもりはないけど、正直、そんなめんどくさいこともありません。家にいなきゃできないんでしょう、外で働いてたらそんなことできんわ、ということも実はない。発酵は冷蔵庫の中で静かに放っておいたらでき、捏ねの行程もパンによって様々だから、時間のない時のパンを選べば、全く問題にならない。

パン屋でパンを全く買わなくなってしばらく経つのですが、今の所しばらくこのまま続いていくと思っているし、そのことが自分自身の食糧についての考え方にも矛盾のないことが良いことだと思っています。

またこのテーマで記事を書いていこうと思います。

ちなみに、ページ:expérimentation culinaireに写真を少しまとめて載せたのでよかったらご覧ください。

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