07/24/15

Valérie Jouve « Corps en résistance » @JeudePaume

Valérie Jouveは、1964年Firminy(サンテティエンヌの近く)生まれのアーティストである。都会生活や社会規範に対峙して生きる個人とその抵抗する身体のありようを「レジスタンスの身体」というテーマで問題視し続けてきた。1980年代末より、彼女の写真は、都市の風景と都市空間に生きる身体を捉えてきた。雑多なオブジェや生き物がぎゅっと詰まった都市という空間では、そのバラバラなものが凝縮されているけれどもちっとも調和しておらず、その中に存在する生き物は蠢き、息を潜めたり、喘いだりしながら、「抵抗する」。

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本展覧会で印象的だったのはセノグラフィーである。アーティスト自身がインスタレーションした空間では、その意図がより明瞭だ。

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どこにも居るような女たちのシアトリカルでもありリアルでもある一面。ありふれたシチュエーションはディテールを見るとやはり個人的なものである。

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Valérie Jouveはモンタージュの手法にも長けている。そして、そのモンタージュは非常に恣意的で、それゆえに戦略的である。過剰な交通量と都会の車社会を切り取って我々に提示するこれらのイメージでは、よく見れば非現実的なようすで車が重ねられていることに気がつくだろう。たとえば、手前にいる車の左側の窓にあるはずもない壁が覗いている、というように。

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シンメトリーの構図を持つイマージュ。折り返された半分はフィクションで存在した半分がリアルである。ただし、それらも完全な左右対称ではなく左側の画面には人物が表され、もう一度全体としての風景に生み直されている。

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映像のモンタージュ。

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都市の中にはみ出す人々。

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抵抗する身体を撮るということ。

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モデルは反復することもある。知っている人物を何度も撮影しているものもある。

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アーキテクチャーは重要な主題の一つだ。

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展覧会は9月27日まで開催中である。
JEU DE PAUME, PARIS : http://www.jeudepaume.org/index.php?page=article&idArt=2414

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07/24/15

Mémoire de crayons et Album sans fin : Jean-Louis Boissier / Des histoires d’art et d’interactivité juin 2015

Mémoire de crayons 1995-2001
Jean-Louis Boissier
Exposition « Des histoires d’art et d’interactivité
Au musée des Arts et métiers, Paris
du 11 au 14 juin 2015
Dispositif
Deux grandes tables parallèles de 80×240 cm, séparées par un espace de la largeur d’une table. La première table est une vitrine qui renferme, en 32 cases, une collection de 1024 crayons à papier, elle est éclairée par deux lampes de bureau articulées. La deuxième table supporte un ordinateur avec son clavier et son écran.

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ヴィジターが鉛筆の情報(色、場所、その他レジェンド)を入力すると、データベースの中からその条件にあった鉛筆を見つけ出し、それを画面に提示する。

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1024本の鉛筆は番号がつけられていて、レジェンド(あるいは、レシ)と外観とともにデータベースに登録されている。ヴィジターは、ショーケースに整然と展示された鉛筆を見ながら、気に入った鉛筆を番号から検索し、その詳細な情報を得ることもできるし、関心のある鉛筆を見つけ出すために条件をコンピュータに入力し、これを探し出すことも出来る。

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この作品の作者であり、1024本の鉛筆のコレクターでもあるジャン=ルイ•ボワシエは、この作品をオブジェの記憶に関するもの(「オブジェに関する記憶および単独のオブジェの集積に言語が与えられるランガージュの可能性をめぐる考察」)であると述べている。ジャン=ジャック•ルソーの『告白』的なエクリチュールに影響を受けた自伝的経験が芸術作品のコンセプトの重要な位置を占めるのは、ジャン=ルイ・ボワシエのインタラクティブ作品において本質的な性格と言える。

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この作品は2001年にポンピドーセンターにおいて展示され、2015年6月11日〜14日のArts des métiersのスペース内(Futur en Seineのプロジェクトの枠組み:http://www.cnam.fr/des-histoires-d-art-et-d-interactivite-738738.kjsp)で展覧会 »Des histoires d’arts et d’interactivité »において展示された。

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同展覧会では彼の歴史的となったインタラクティブ作品Album sans fin, 1988-1989も同時に展示された。

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私にとっては、これを体験するあまりにも貴重な機会であった。

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