05/8/14

Salon de Montrouge 2014 / サロン・ド・モンルージュ 2014 @Beffroi, Montrouge

Salon de Montrouge 2014

Salon de Montrougeは、1955年に始まったサロンで、拠点のモンルージュ(パリの南)で、Léger, Lurçat, Daliなどの回顧展を行いました。1976年以降、Nicole Ginouxの方針でコンテンポラリー•アートに焦点を当てたサロンへと方針を転向します。サロン・ド・モンルージュ(Salon de Montrouge)は、Montrouge市の全面的なサポートのもと、若いアーティストの幅広い表現活動を受け入れて、彼らを助け・育てるためにその機会を提供し続けていると言えます。従ってこのサロンは、素材や主題を問わず作品を受け入れています。コンテンポラリー・アートのアーティストたちが社会のなかで重要な役割を担うべきであり、たえず変容する状況の中に投げ入れられているとすれば、彼らが美術の教育を受け終えた後にどのような「道」を提案してあげられるだろうか?どのような場所で、どのような機会に、彼らの表現を発表して行くべきだろうか?Salon de Montrougeが若いアーティストをサポートしようとしているのは、このような重要な問いに関する答えのひとつをたぐり寄せてあげることと言えるでしょう。

2009年から当サロンは、Stéphane CorreardがArtistic Directorを務めて、今日まで多くの応募から選ばれたアーティストの作品を毎年Montrougeの市役所向かいのBeffroi(鐘楼)のスペースで展示しています。第59回目となる今年は、4月30日から5月28日まで開催しています。
http://www.salondemontrouge.fr/index.php/salon-2014

今回はパリ出身、ナント在住のアーティスト、Anne-Sophie YACONOさんに招待していただいて、レセプションに行ってきました。Anne-Sophie YACONOは、ミックスメディアでラディカルなコンセプトを発散している若手の女性アーティストですが、彼女の作品はSalon de mimiでもご紹介したことがあるほか、有毒女子第12号 特集「食べないこととか」で私のエッセイのなかで紹介させていただいてます。
展覧会 Décongélations Prématurées (Nantes)
http://www.mrexhibition.net/wp_mimi/?p=2007
有毒女子第12号 特集「食べないこととか」
http://www.mrexhibition.net/wp_mimi/?p=2754

彼女の作品は、入り口右手の階段を上っていただいて左手の「Anne-Sophieの部屋」と言わんばかりのお部屋にずらりとおいでです。レセプションでドレスアップした彼女と、ご両親にもお会いしました。こちら、サロンのサイトをご覧頂くとアーティスト・インタビューのビデオもあります。
http://www.salondemontrouge.fr/index.php/salon-2014/la-selection/7-artistes/12054-anne-sophie-yacono
Les portes de Chatteland, 2013
Céramiques et sculptures sur bois. Dimensions variables
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また、フライヤーのイメージに採用されている招待作家の作品は、1977年生れ、オルレアン出身のJulien Salaudの作品。

第55回のSalon de Montrougeの受賞作家。動物の剥製を使った作品を作っています。
彼のブログはこちら。(Blog Julien Salaud

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また、ハンガリー出身の作家Anna ADAM(ANNA ÁDÁM)の空間の記憶をモチーフにした作品は繊細でした。社会的・政治的抑圧が、学校や職場だけでなく、個人の生活にまで陰をひそめていた彼女が生まれる前の時代。その事実は写真を通じて、現代を生きる人にも物語を伝える。
Re-Play !, 2013
Broderie, collage sur photographie

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JUDITH DESCHAMPS

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Dorith Galuz, Collectionneuse, 2014 video 7min12
この映像は、Judith DESCHAMPSがコンテンポラリー・アートのコレクターであるDorith Galuzにインタビューした際に撮影したもので、彼女は1970年代から現代までのリアルとフィクションを織り交ぜて物語をつくる数々の作品をコレクションしてきた。彼女の言葉からそこにある歴史全体を摑み取り、そこに参入し、過ぎた世界を作り変えようとする。

 

Anne BROUJEANの二つの作品(Les Petites Morts, 2012
Photographie et texte, Biographies, 2012
Photographie et texte)は、一人一人は限られた時間を持ち、生まれては死ぬ私たちの、そうはいっても生きている時間はたくさんの思い出や出来事に満ち溢れ、幸せであったり、悲しかったりする、人間の「生」というものをこのアーティストの方法で表した一つの実験的な試みでしょう。とにかく、ビックリします。Les Petites Morts(2012, かわいそうな死者たち)は、世界の様々な文化の中で生きて死んだひとりの人間が、棺桶の中で?棺の中で?肉体をともなった最後のイメージとして表象されています。日本人らしい写真もあります。
なんて書いてある?

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「サーモンのアルミニウム包み焼き」(Les Petites Morts, 2012
Photographie et texte)
彼女の問題意識としては、現代の情報化社会にあって、私たちは、私たちのナルシシズムを満足させるような自由な発言を認められているけれど、それと同時に生や死のイメージが蔓延するなかで、それへの生き生きとした感情は乾燥し、バラバラになり、退化すらしているかもしれない。テクノロジーの発達した社会における我々の感情の問題を喚起する作品と言えるでしょう。

 

GAËLLE CALLACは、ブルターニュ生れ。親密さや個人の物語をテーマとする作品を作っています。彼女にとって、このテーマは、決して個人の中に留まるような小さな問題ではなく、それはむしろ、普遍的な問題として立ちのぼります。本作品は、本のタイトルからインスピレーションをうけた言葉遊びで構成される作品で、今や時代遅れのもはや見向きもされなくなった古い本を集めて、ひとつの時が止まったような記憶を作っています。

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CLÉMENTINE DESPOCQ

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彼女は、もともと宝石やアクセサリーなど装身具について学び、その後装飾品のデザインについて学びました。しかしビデオの中でも彼女が述べているように、アクセサリーはそれを身につける身体を伴ったとき、一つのオブジェクト以上のものになることに興味を抱きます。彼女の作品では、単体のアクセサリーが独立するのではなく、常に、そこにある肉体のことを想起させます。

PAULINE BAZIGNAN

彼女は画家です。しかし、筆も指も使いません。もちろんそのほか何によっても、紙やキャンバスに触れることはありません。彼女はまず紙を床におき、色彩の雫をぽたっと垂らすと、折りをみてその紙を垂直にします。絵の具は重力に惹かれて流れて行く。時々は紙やキャンバスにせき止められて、時々はその流れる性質を失って途中で止まってしまいながら。花のような、星のような、不思議な表象。(Sans titre, 2010
Acrylique sur papier. sur toile.)

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たずねずにいられなかったオレンジの彫刻。普通、鋳型をとる彫刻言うのは、量産するために鋳型をとりますよね、ロダンの考える人がたくさんあるように。彼女はコルシカ産のオレンジの彫刻をたくさんつくったのですが、どのオレンジも、一回だけ型にするとその役目を終えてしまいますから、これらのコルシカ産オレンジの彫刻は同じものはもちろん一つしかないんです。一つ一つの実の大きさやあの白い筋の様子がよく分かります。

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Salon de Montrouge 2014は、2014年5月28日まで!