Reiko Nonaka « Double Vie » : la gémellité d’une vie double / 野中玲子「ダブル・ライフ」: 双子性

Intervention de Reiko Nonaka, artiste photographe

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Reiko Nonakaさんは、フランス、パリを拠点に創作・発表をされている写真家でおられ、今回パリ第8大学造形芸術学科の授業 »Exposition de soi »の12月3日の講義にいらっしゃっていただき、ご自身の最近の作品のコンセプトや制作のお話をしていただいた。

主に紹介していただいた作品は「Double vie」(ダブル・ライフ)で、双子のコンストラクティド・ポートレートのシリーズである。モデルは、全て本物の双子である。ご存知のように、双子には、一卵性双生児と二卵性のものがある。(と思ったら、胎盤が融合するパタンなどもあるのですね… というわけで説明はこちらを:site baby twins)野中さんは2013年10月にパリで本作品「Double vie」の展覧会をされている。

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野中さんがモデルとして主に依頼する双子は、一卵性の双子、文字通りの「Double vie」を共有する人々の存在に関心を抱いている。アーティストが関心を抱くのは「双子性」(gémellité)と呼ばれる、双子間の共感や共鳴、同じ家族に産まれるのだから、生後の環境のシェアや教育のシェアは無論言うまでもないが、それ以上の結びつきを証明する「なにか」の存在である。

彼らはしばしば、殆どの時間を共に過ごす子ども時代が終わり、それぞれの道を歩む学生時代、そして、成人してもなお、精神的・身体的な影響の感覚を持ち続けている。それは、もともと一つの細胞から全ての遺伝情報を共有し「ダブル」になったのだから、と想像するのはたやすくロマンティックであるのだが、非双子である人々には経験することのないものが、ダブル・ライフの中には流れているようなのである。そのことを、野中さんの写真は、ある意味で可視化しようと試みる。

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野中さんは依頼するモデルに出会い、撮影まで、十分な対話の時間をとる。どのようなエピソードがあるか、彼らの双子としての人生の特徴は何か、それぞれの共通点・相違点はなにか、面と向かった彼らから読み取るもの、それら全てを、画面の中に再構成する。作品内のコンポジションは、物や家具、ポーズ、衣服を含め、アーティストが彼らとのやり取りのなかで着想し、構築したものだ。

「双子性」(gémellité)の探求は続く。100組ほどの双子を撮影したいと語るアーティストは、我々に自伝的なヴィデオを紹介した。赤いずきんと青いずきん、お気に入りの絵本を手にしている二人の幼い女の子が並んで座っている写真。
「Double vie」の作者であるReiko Nonakaは自身が一卵性の双子として生まれ、「双子性」(gémellité)について問いながら生きてきた張本人である。

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奇しくも講義受講者内にも双子が二人いた。あるいは皆さんの知る双子もいつか彼女のモデルとなるのかもしれない。

双子としてのダブル・ライフに関わらず、我々は誰一人として自分の人生以外の人生を経験することの出来ない身である。双子同士は双子としての経験を互いに予想するものの、別の双子の人生は経験不可能である。しかし、モデルと語り合い、彼らの双子性を再現するアーティストの試みはなかなかに面白く、それは言わば双子性という不可触のものを世界に開いてみようとする勇敢な試みであるようにすら思える。

Interventionに感謝をこめて。
Reiko Nonaka : website http://www.reikononaka.com

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